海外長期生活から日本に移住して来て、日本のシステムが難しくて、馴染めないと強く感じるポイントが日々の支払いシステムです。
日本で暮らしていたら当たり前のことなのかもしれませんが、それが海外ではそうではないことって結構あるんです。
現金社会 クレジットカードが使えない
ここ数年、『キャッシュレス』という言葉を良く聞いていたので、日本では現金をほぼ使うことなく生活できるのかと期待してきましたが、今のところ現金なしでの生活が考えられません。
(1) 現金のみOKが多すぎる
特に困るのが、まさかこんな場所で高額な料金を現金のみしか支払えないというのが病院です。総合病院は最近クレジット支払いも導入されつつある様ですが、かかりつけ医のレベルの歯医者さんや耳鼻科など、初診料などで5000円ほど支払う必要がある場合でも現金を常に持っておかないといけないのは大変苦労します。
スーパーマーケットもいまだに現金のみの中堅スーパーもあるので、現実として私達はそこでの買い物をなるべく避けています。
日本は安全な国なので常に現金を持ち歩く事を不安に思わなくて良いのは嬉しい限りですですが、だからといって、常に現金を財布に入れて持ち歩くのは面倒です。病院などがあれば、常に数万単位でそれを持ち歩かなくてはなりません。
さらに日本では現金を引き出すATMの手数料が必要な場合なども結構あって驚きます。オーストラリアでは手数料はほぼ必要ありませんでした。また、便利な仕組みがCash Out (キャッシュアウト)という仕組みです。大手のスーパーマーケットでは、支払い時に支払額を上乗せして現金をスーパーから受け取る事ができる仕組みがあります。わざわざATMを探し回るという事がオーストラリアではなかったです。
(2) 海外の場合 デビットカードとクレジットカードの普及
オーストラリアの場合で言えば、ほぼ現金はゼロの状態で生活をしていました。まず、$1(100円)ぐらい平気でカードで支払います。人にお金を支払う場合は銀行口座にネット送金します。病院も郵便局も現金のみなどはここ最近聞いた事がありません。
現実的に、現金を持っておく必要が日常生活で全くないと言っても過言ではありません。
月々の生活費の支払いもカード払いが基本で、契約の際にクレジットカードもしくはデビットカードの登録が必要になります。電車やバスに乗る際も、販売機でカードの利用が可能です。オンラインで列車の代金を支払う場合も、もちろんカード支払いです。
銀行口座を開く際に銀行カードにデビットカード機能が付帯されているので、クレジットカードがなくてもデビットカードをほぼ全員持っていると言えるでしょう。
最近では、オーストラリアで普及しているのがApple PAYですが、色々な場所で利用が可能です。
また、海外ではPay Wave の機能が多くの場所で利用できますね。
イギリスでは地下鉄のチケットは購入する事なくPayWaveで支払いが可能でした。こういう国は、旅行に行っても、現金を両替したり引き出したりする必要がないので本当に便利です。
しかしながら、海外でクレジットカードを利用する場合、手数料は利用者側にある事が多いです。VisaやMasterカードでしたら0.5−1%ほどと小さいですが、AMEXの場合は3%ほど手数料がかかる事もあります。便利さにはコストがかかるというところでしょうか。
日本の場合は、この手数料を店側が負担するので、導入に足踏みする店舗が多い様ですね。
(3) プリペイド式が多すぎる
日本はと言えば、プリペイド式が多過ぎます。
日本で買い物する度に「○○ペイ」「●●ポイントカード」など、尋常でない種類のカードの利用についての案内がレジに貼られていますよね。キャッシュレス決済の対象支払い方法が多い上に、ポイントカードまで絡んでくるので、そのややこしさが混乱を招いているのだと思います。
また、その○○ペイは、利用するためのハードルが高い!
まず、登録しないと利用できないのが、ユーザーフレンドリーだとは言えません。短期的に日本にいる旅行者などのことを視野に入れてない事が伺えます。
クレジットカードや銀行口座と連動できるカードもありますが、実際のところ、多くのカードがプリペイド方式です。JR東日本のSuicaが良い例です。
例えば、海外からの旅行者がSuicaを利用する場合、まずは現金が必要になります。一旦、現金を入手した後にSuicaに入金する手続きは真のキャッシュレス社会だとは言い切れないと思います。
近所の地方のスーパーマーケットも、各スーパーごとにプリペイドカードを作り、多くの日本人がそのプリペイドカードを(現金を)各企業に預けているという構図がなんとも日本らしいですね。
キャッシュフローを考えると、少しでも運用できる手持ちの現金を増やすことを考えるのが欧米では一般的です。日本の場合は、各企業が割引やポイント付帯というリターンをするために顧客が各企業に投資をしている様なものでしょうか。個人というより、ここで企業まかせな体質が見え隠れしますね。
この競争の結果が、ややこしい現在のキャッシュレス社会を生み出している根源だと考えています。
これは、海外からやってくる観光客には観光のしやすい国とはならない大きな障壁となりかねませんので、日本の常識の外から今のシステムを見ることで、キチッと改革して欲しい分野だと思っています。
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個別会計ができない 割り勘文化
海外からのお友達を連れて日本のレストランに行きにくいのが、個別会計不可の文化です。
食べ物に関して言うと、個別での支払いができる仕組みがないレストランは海外の人は敬遠します。なぜなら、自分の食べたものを自分で支払いたいのが欧米の人たちです。
まず、オーダーした品をシェアするという発想がありませんので、ピザを頼んでも、半分づつ食べるという様なことはしません。自分が頼んだピザは自分で食べます。なので、支払いも自分のピザの支払いをします。
日本では、オーダーをシェアする事が一般的なので、支払いが割り勘になることになんの躊躇もないのかもしれません。
それなら、それで良いのですが、別の文化も存在すると言うことも念頭においていただきたい。何人かの外国人旅行者を連れてレストランにいく場合は本当に大変です。個人個人がきっちり現金を持っていてくれないと支払いがとても困難になります。
日本に暮らしていれば、当たり前の割り勘文化ですが、その文化を持ち合わせていないひとたちからしてみると、そのルールに沿う事が非常に難しい文化の一つでもあります。
これを逆手にとって、個別支払いをスムーズにできるお店があると、きっと海外の人にとっては喜ばれる店になる事間違いなしです。
以上、日本とは違う文化で生活してみると、日本の文化に慣れる事が意外に大変だという事を知りました。キャッシュレス化についてはまだまだ日本は発展途上だと思いますし、今後、海外の観光客が増えると、お店もそれに対応した支払いを積極的に導入していく事で真の国際化がはかれるのではないでしょうか。