【日本移住 難しい就職】オーストラリアから持ち帰りたい働き方 第3弾 残業 

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オーストラリアと日本での働き方の比較を、過去2回で見てきました。オーストラリアの労働環境が優れている部分が多々あるので、それを如何に日本の労働環境にと入れる事ができるかの考察です。

最後に第3弾としてオーストラリアでの残業に対する考え方についてみていきましょう。

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オーストラリア 働き方の特徴 残業について

(1) 日本での残業の取り扱われ方 みなし残業は日本独特

日本では「残業は当たり前」の前提として雇用主が契約書を作成するでしょう。最近では「固定残業代(みなし残業代)」として契約書に記載している企業も多いですね。

もともとは、よくある残業代を支払わないブラック企業を取り締まる為に導入してされた制度で、残業が発生してもしなくても契約された固定の残業代を含むと言う制度です。企業としては、残業代の支払い計算なども手間にはなるのでこの制度を導入することでプロセスの簡素化の狙いもあるようです。

(2) オーストラリアでの残業の取り扱われ方Day In Lieu 代休制度

では、オーストラリアではどのような制度があるのでしょうか。

まず、オーストラリアでは年俸制での契約が多いです。週の労働時間は規定されていても、その中で時間をやりくりしている労働者が多い。例えば、休日出勤など発生した場合なども含め、取り入れられているのがDay in Lieuという制度です。Time off in lieuと時間単位で利用されることもあります。言葉自体は聴き慣れないかもしれないですがフランス語が語源です。

休日出勤をしたその日数を別の出勤日に代休とする制度です。それが時間単位で取得する場合もあります。103が働いていた豪企業もこの制度を活用していました。

もちろん、オーバータイムと言うことで規定以外の働いた時間を残業代として支払うこともありますが、多くの場合、契約上では通常よりも25%以上増しで支払いが必要になります。

残業に対する意識

(1) 企業の残業への意識の差

日本もオーストラリアもその残業に対する支払い方や扱い方に違いがありましたが、では実際、企業側の意識はいかがでしょうか。

日本の意識は多くの方がご存知の通り、残業は当たり前と言う意識が根強いのでは無いでしょうか。

オーストラリアでは、まず残業が発生しないように働く事が前提となります。前述の通り、制度としてもちろん必ず無給などにはならないものが浸透していますが、これはあくまで救済制度です。基本的には、残業が発生しないように働く事が求められます。

部門マネジャー経験の中でよく会社と掛け合ったのが、残業時間=スタッフ数の増加のネゴです。例えば、スタッフ8名のチームが毎日1時間残業が発生してしまうとします。5日間で40時間の残業が発生していたとしたら、1人分の仕事量になることになりますね。だったら、チームを9名で組んだ方が良いと言うことになります。

もちろん、突発的に発生する残業だとしたら話は違いますが、恒常的にそうなのだとしたらチーム数を増やして、1人づつの負担を減らすことを考えます。

(2) 生産性が全て 仕事量の把握ができるかどうか

なぜ、負担を減らすかと言えば、これは生産性に尽きます。オーストラリアでは過去8年ほどいた部署では週38時間労働でした。もちろん、繁忙期などDay in lieuの制度などを使いバランスを取っていましたが、平均で一日の労働時間は7.5時間ほどです。日本では8時間プラス1時間の残業ということで設定している企業が多いのでは無いでしょうか。現実にはもっと労働時間が長い人も多いでしょう。

7.5時間を超えての勤務は生産性を欠きます。自分で自分の仕事量を把握して、時間内に終わらす事ができない場合は

❶能力不足 ❷仕事量と時間のバランスが悪い

のどちらかになります。

仕事量が多すぎるのだとしたら、自分がやり続けてもその仕事を終わらせるのに必要以上の時間がかかってしまうでしょう。それなら、初めからその飛び出た部分の仕事を別のスタッフに援助してもらう事が重要なのです。

(3) 周囲の目を気にする文化はオーストラリアにはない

日本では、上司より先に退社できないなど、周囲の目があるので無意味な残業が発生していないでしょうか。

オーストラリアでは考えられない発想です。

チームで仕事をしていたとしても、ある程度、自分の仕事内容(Duty)は決まっているはずです。当たり前ですが、上司のDutyを部下が気にかける必要は全くありません。自分の仕事を与えられた時間内に完了できるかどうかが重要なのです。

部下が残業時間が増えていたら、その問題を解決するのは上司の仕事です。ただ、それは上司が一緒に部下の仕事が終わるまで待つのが問題解決ではありません。残業が増えてのなら、先ほど指摘した「能力」「バランス」に問題があるのです。それをどのように解決できるかが上司に問われているのであって、みんな仲良く1人の人が仕事が終わるまで無駄に待つ事が解決ではないのです。

オーストラリアから持ち帰りたい働き方 まとめ

3回に渡って「転職」「有給」「残業」と言う切り口からオーストラリアと日本の労働環境を比較してきました。

オーストラリアでは現地企業でオーストラリア人と同条件で働いて来ましたので、経験からオーストラリアがどれだけ労働者に恵まれた労働環境を提供してくれているのかを実感として知っています。

重要なポイントは、日本のように勤勉に長時間働くことで社会生活を営む場がオーストラリアより優れているのかと言うと、そうではありません。労働時間が短くても、無責任な転職が多発していたとしても、オーストラリアは生きていくのには個人が存分に尊重され、社会生活が保証された国として機能しているのです。

結局は制度としての違いでは無く、一人一人の意識の問題であると言う点が大きいのだと思います。日本で働いて、生活するだけではそれが100%の正解だと思っている人も多いのではないでしょうか。チャンスがあるならオーストラリアでぜひともワーキングホリデーなどを体験することをお勧めします。

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