ワーキングホリデー(ワーホリ)制度を上手に使う
ワーキングホリデーとは、海外で就業、就学を許可されながら期間限定でその国で暮らす事ができるビザが発給される制度です。
1980年にオーストラリアとの間で初めての2国間協定が結ばれました。その後、対象の国は増え続けています。2020年時点で26カ国もの選択肢がありますので、18歳から30歳までのワーキングホリデー対象期間で毎年1カ国言ったとしても12年しかありません!
全ての国に渡航するのは難しいかもしれませんので、後悔しないために自分の行きたい国を計画的に制覇していくことが年々重要になってきますね。
私103が長期海外滞在した国はカナダ、NZとオーストラリアです。そう、ワーホリ3大人気カントリーですね。その当時は20カ国以上の現在の様な状況ではなかったのでワーホリに出るだけで一大決心でした。言語力がゼロの状態で英語圏以外に行くことも考えていなかったです。しかし、現在は英語圏以外の国もたくさん含まれているので本当に羨ましい限りです。
また、オーストラリアで10年以上働いていた中で、多くのワーホリの人たちに出会いましたが、特にここ最近は2つのパターンが増えてました。
- 各国の条件を把握して計画的にワーホリ制度を利用しようとする人
- 世界1周旅行の間に資金調達のためにワーホリを入れている人
昔は、ワーホリに出ること自体が目的になっていた時代からは様変わりでした。みんな、ワーホリ制度を上手に使って旅を楽しみ、人生を楽しむ人たちが増えていました。
ワーキングホリデーを勧める理由
ワーホリを上手に利用しようと言う志を持っている人たちは、ここでワーホリの良さをお伝えする必要はないかと思います。
そうではなく、日本で鬱屈してストレスを持って生活している人に是非この制度を使って世界に出ることをおススメしていきたいです。海外に出ることでさらに厳しい状況になりかねませんが、現状を打破し、チャレンジすることが重要です。
(1) 語学習得
一番良く聞くワーホリに出た理由が「語学習得」です。
現地に入れば、語学を習得でできる環境であることは間違いないです。少しでも海外の言葉に興味があり、勉強をしたい!と希望がある方には一番手っ取り早い学習方法だと思います。
義務教育で何年もの英語学習の後に、それが完全に身についているという感覚を持っている人は少ないのではないでしょうか?海外に生活すれば、その年数よりも短い期間で、グーンと英語力を伸ばすことができるでしょう。
ただ、それは本人の努力次第です。そこにいるだけで勝手に身につくわけではもちろんありません。
例えば、私の体験談ですが、最初のカナダでの1年で、日本の家族に電話をする時以外は「日本語を全く話さない様に決心」しました。これが大切だったと今でも信じています。
それは、そうやることで単純に英語力が上がるという訳でなく、決心して遂行するという意思の強さと達成感が必ず身につくという事実です。ワーホリで、ホリデーに重点を置いている人以外は、何か得るものを求めているはずです。達成感こそ、一番将来的に活かせる糧ではないでしょうか。
また、もう1点大切なことがあります。
英語しか話さないというミッションを全うしようとすると、必ず日本人コミュニティの中で浮いてしまいます。語学学校などで日本人同士お友達になることは多々あります。そこで、そういった日本人の仲間ができにくくなる可能性と、グループからはみ出る疎外感を感じる可能性があります。同じ目標があるお友達ができればお互い切磋琢磨して頑張ることができるのですが、そうでない場合は孤立するかもしれません。それぐらい、ワーホリで狭い世界に入ってしまうと日本人に囲まれる状況があるのです。
でも、それが今後外国で暮らそうと少しでも思うなら貴重な経験になるはずです。安心できる集団の中からはみ出ることこそ、海外で生きていく醍醐味だと信じています。日本だったら、それがとても恥ずかしくて悲しいことかもしれませんが、きっと海外で感じるそれは自分に自信をつけてくれます。
そんな、日本人の友達を作るのもワーホリの楽しみだし、日本語話さない様に努力するなんてカッコつけてて感じが悪い。。。って、思われても、言われても、無視しましょう。20代だと、カッコつけて見えるかどうかを気にして、カッコつけない自分を演じてしまいがちですが、そんな事言ってられません。後で後悔しない様に語学学習出来るチャンスを逃さない様に!
ワーホリに出れば自動的に語学が身につく訳ではありません。ただ、身につく環境を得る事が出来るので、その環境を活かす事が出来るかどうかは自分次第ですので、目標を持っていきましょう!
そこにある枠組みの中で生きる以外の選択肢があることを知り、そのもう一方の選択肢を選ぶこともできればもっと気が楽に人生を楽しめると実体験で知りました。海外なら、基本的に個人主義の人が多いので、自分が浮いていても気になりません。その周りの目をとっぱらう事が出来る技術は、日本に戻った後も何かしらの手助けをしてくれると信じています。
(2) 出会い
海外に出ると多くの出会いがあります。何が特別かと言うと、日常生活では出会えなかった様な人と出会う事が出来る事です。当たり前かもしれませんが、自分が知っていた日本での世界はとても狭い事を痛感するでしょう。
まず、現地の人と出会います。それが、その国への愛着になるかもしれません。
私も、大学生の時にカナダで一ヶ月だけホームステイをしました。ホームステイ先に恵まれ、大学卒業後にまたホームステイをしながら1年間語学留学をしました。この出会いのおかげで、大学卒業とともに新卒で就職すると言う経験をしていません。就職活動もしませんでした。大学の時に1年間留学出来る資金をためて、カナダに行っています。
出会いが人生を変えたと思っています。
さらに、留学生や他の国のワーホリの友達にも出会うでしょう。特に、同じアジア人の人たちは英語の発音もお互いわかりやすいし文化や食事が似ているので仲良くなる機会が多々あります。知れば知るほど、親しみを感じたり、近くて遠い国と感じさえするかもしれません。世界中に友達が出来てこそワーキングホリデーにでた意義だと思います。特に、今後、日本でも外国人が観光に来たり、生活したりとより国際的な国になると思います(なって欲しいです!)その時、ワーホリを体験した日本人がたくさんいれば日本ももっと視野が広い人が増えるのではないでしょうか。
最後に、日本人との出会いも大切です。
私は自分がワーホリという立場ではないのですが、ワーホリの人たちをたくさん採用していましたので色々なタイプのワーホリの人を見てきました。
日本でだと出会わない類の人たちが出会うことになります。
日本は、どこかでグループの輪が固定されてしまっています。オーストラリアの私が採用をしていた企業では、日本の有名大学卒の高学歴の人も、高校卒の人も同じ仕事をします。実は、そのひとたちは、日本で普通に生活していてなかなか職場で出会う事がないのではないかと危惧しています。ひとつ言いたいのは、決して学校のレベルが仕事能力と直結してないので、学歴だけが良くても、長くてもそれが単純に仕事ができることにならない事を十分知りました。でも、日本は新卒で就職して、大学名で企業が人選をする文化が根付きすぎているので、職場にいる人間のタイプが限られてこないでしょうか。出会う人間の幅が狭くなりますよね。
きっと、ワーホリに出てみると、同じ日本人でも境遇の違う人に出会うでしょう。そして、表面的な学歴や資格や家柄を越えた出会いこそワーホリの面白さだと思います。本当は日本国内でそんな出会いが当たり前の様にある国だったら良いのですが、それを海外で経験した人って結構いると思います。
だからこそ、ワーキングホリデーは日本で何か殻を破りたいと思っている人には本当に良い機会だと信じています。
(3) 他文化を知る=日本を知る
なかなか1年ほど海外で暮らして、その国の文化を深く知るとまでには至れないかも知れませんが、違和感を感じる経験はきっとするはずです。
例えば、
- バスや電車で平気で携帯電話で会話している人がいる
- 現金なんてほとんど使うことなく、カードが超普及している
- 映画館がガヤガヤしていて、見終わったら席の周りがポップコーンやらの食べかすで汚い
- 通りがかりで軽い挨拶を知らない人同士でも行う
- 社交辞令がない
- トイレが無料じゃない
当たり前過ぎて、それが他の国でも同じではないとは思いもしなかったと思う事に出会います。
経験上、他文化を知り、自文化を知るという経験には数年掛かりました。
最初は、その違和感で大きく文化の好き嫌いの幅が触れる体験をします。例えば、NZに1年ほど住みNZが大好きになり、日本に無い良い文化と日本文化を比べることで日本が嫌いになる時期。その逆もあって、その国があまり好きじゃなくって、日本がもっと好きになるという体験もあるでしょう。
私の場合、次の段階がありました。オーストラリアには10年以上暮らしましたが、オーストラリアの良さも悪さもしっかり見えました。それと同時に、日本の良さと悪さも実感しています。全てに両面がある事を実感として知るのに数年単位でかかる事があります。
ただ、最初の違和感を感じる体験こそが日本人には必要なのではないでしょうか。自分が正しいと信じている事が、ある文化のもとでは間違っているかもしれません。それを知れば、ずっと気が楽になります。
ワーホリ制度を使わずに後悔しない
ワーホリの年齢が18−30歳というのがポイントです。
その年齢だと、まだまだ次のステップに行くための通過点として海外に出ても修正がききます。
面白い発見だったのですが、何百と見てきた履歴書を通して出会ったワーホリの人たちの年代の傾向です。
- 大学在学中の男女(男性の方が多い)
- 25歳前後の男性(社会に出て数年後)
- 30歳前後の女性
この傾向が強かったです。何かしら人生の転機を起こすのに適した年代なのでしょうか。
今まで築いた会社での経歴などを捨ててまで海外に出る価値があるのでしょうか?私はあると信じています。今までの経歴があるからこそ、次のステップにつなげるために海外に出る事は転機へのきっかけ作りになるべきです。
特に、日本に帰国してみて、日本のおかしなルールなどがしっかり見えている今、日本のこの狭い視野が全てだと思って暗い気分になっている人がいるのなら、そんなあなたにワーホリに出てみるという選択肢を考慮するきっかけになりたいと思いこのトピックを選びました。
少なくとも、私は全く後悔していません。むしろ、海外に出ていなかったら辛かっただろうな〜と、思う毎日です。若いうちに視野をどんどん広げましょうね。
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