オーストラリア 働き方の特徴 転職について
日本で正社員や契約社員で就職や就業した経験とオーストラリアでの正社員の経験を比較すると労働者に対する働く環境の素晴らしさという点でオーストラリアがかなり秀でています。
オーストラリアでの当たり前の就業に対する姿勢やルールなど、日本に持ち帰ってそれをぜひ取り入れて欲しいと思うポイントをまとめてみます。まず、第1弾として「転職」についてです。
(1) 転職は当たり前 転職回数が不利にならない
多くのオーストラリア人は転職することを悪いと考えていません。ここで言う転職とは職を単純に変えることで、ステップアップが常に目的ではないことも多いです。
ここ最近は、日本でも転職をする事があまりネガティブなイメージが減っています。しかしながら、転職=キャリアアップという発想が強く、オーストラリアの様な単純な深い理由のない転職が受け入れられる土俵は固まっていません。
103が日本とオーストラリアの面接の違いを通説に感じたのはこの一つの質問。
「採用が決まれば、どのくらいの期間働く予定ですか?」
そもそも、アルバイトでない限り正社員の仕事で日本で上記の質問があることも少ないのかもしれません。なぜなら、長く働く事が前提だから。
オーストラリアでは、上記の質問を聞く事が重要です。そして、その答えが「1−2年は働いてみて、そこから考える」という答えが許されるのです。
現実問題、日本とオーストラリアの離職率は下記です。
近年ではオーストラリア の離職率の方が低いということは、「終身雇用」前提で採用する事の現実が伴っていないのが日本であります。
オーストラリアでは、働いてみないとその企業で働く事が自分にとって有益かもわからないのであくまで労働者はお互いWin-Winの立場を求める事に対して障壁がありません。
一方、日本では、企業側が「終身雇用」前提で採用しようとする事への歪みがあるのでしょう。
しかしながら、日本で一般企業や人材キャリアサポート会社などの担当者と面接の機会で話をするたびに見えてくるのが理由の定まらない転職回数への不信感と終身雇用に対する強い期待です。
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(2) 履歴書の空白期間 理由のない空白は不信感につながらない
例えば、日本では職歴と学歴の間の空白期間が説明できなけばいけません。何かしらの理由なく人生の空白期間がある事が受け入れられる事がありません。
一方、オーストラリアでは、面接官がその点をさほど気にすることはないでしょう。なぜなら、誰しも充電期間を持つことで人生のバランスをとっていることを肯定しているからです。
103も多くの方をオーストラリアの現地企業で雇ってきました。履歴書の年代を事細かく順を追って整合性を見たことはありません。どんな理由があって数ヶ月、数年のブランクがあっても、それ良りも重要なこと「求められる職種への能力の適合性」や「どれだけ即戦力であるか」などを知ることです。「留学準備期間」「求職期間」などそれらしい言葉でその空白期間を表せても、そのこちらが求める能力の持ち主かを知るメジャーにはならないのです。
しかしながら、日本では何かしらのもっともな説明が必要になります。それがどれだけ大事だと観念的に考えられていうのかは置いておいて、ただルールとしてその空白期間を説明する必要があるのはオーストラリアと大きな違いがあります。
この前提でいくと、転職することがとてもハードルが高いのが日本です。タイミングを考えて、空白期間を作らない様にキャリアアップしないと、「今の仕事を変えたいな」という様な軽い気持ちでは何かしらの大きなマイナスになる可能性が出てきます。
その点、オーストラリアは、いくら転職を繰り返そうが、その過去の動きにあまりとらわれることなくチャレンジできます。
(3) 終身雇用という概念は冗談になり得る No Kidding!!
終身雇用をしてあげるという企業側の姿勢は日本ではかなり変わってきています。ただ、それはシステム上のものであって、実際問題、採用者側は終身雇用に準ずる様な長期雇用に応えてくれることを当たり前だと考えています。
実体験として、オーストラリの感覚で日本の一般企業で「2、3年は働きたい」と言ってしまった事が何度かあるのですが、これはNGワードでした。それに対して相手は「うちでは長く働いてくれる人しか採用しない」という趣旨の反応が返ってきました。
前述の通り、離職率もオーストラリアより高い日本なので現実は伴っていないはずですが、企業は未だ長期雇用前提で採用を続けています。
ここで、この感覚の差を生み出している日本独特の制度の新卒採用の概念が長期雇用への考えにつながっているのでしょう。オーストラリアでは新卒で大量に日本の様に採用枠があることはありません。経験がものをいう世界なので、社会人経験のない学生が仕事を見つけるのは反対に難しいのです。日本では、経験のない人たちを雇って、その企業の色に染めるトレーニングを提供し、企業戦士を生み出していくところですが、オーストラリアではまずは電話番を数年なんてやることはなく何がなんでも即戦力で器用に仕事をこなさなくてはなりません。
オーストラリアには、long service leaveという長期休暇があり州によって違いますが10年も勤めれば数ヶ月の有給休暇を受け取ることができます。日本だと、毎日の様に誰かがいなくなるぐらい頻繁に休暇に出かけるぐらい対象者が増えそうですね。オーストラリア では対象者が少ないので、政府としては少しでも長く働いてもらった方が嬉しいよね、ということで、作られている制度を利用する対象者があまりいませんん。3年も働けば「長いね」と同僚に言われ、5年も働けば「ベテラン」になり10年もいれば「大丈夫?」ということになります。
(4) 転職へのハードルが低い方がストレスが少ない
オーストラリアで働くことは、ストレスが少ない場合が非常に多い。
転職をして自分で環境を変える事が自由にできれば、いくらでもリセットができます。日本では人間関係で悩んでるいる人も多いのではないでしょうか。そんな中、ストレスがマックスで追い込まれていくよりは、環境を変える事が簡単にできればストレス軽減に繋がることは間違いないです。
以前は転職自体があまり日本では一般的でなかった中、昨今は転職が受け入れられてきています。ただ、そこにはまだまだキャリアアップの線上に転職があるという考えがありますので、それが「理由のない転職」が受け入れられる就業環境がオーストラリアの様に受け入れられ始めれば働く人間のストレスの軽減に繋がっていくのではないでしょうか。ぜひ、オーストラリアからそのリラックスした考え方が輸入して欲しいものです。
次回、第2段ではオーストラリアで働く場合の「有給」について持ち帰りたいポイントを紹介します。
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