オーストラリアに長く住んでみると、最初の勝手な思い込みが間違っていた!と気づくことも多々あります。その一つが、「カスタマーサービス」。日本のサービスは世界一と言っても過言ではないほど、お客様が至れりつくせりですね。それに引き換え外国はというと、サービスって悪いはずって思いますよね。事実、サービスの質は不安定ですし、受けれるはずのサービスもスムーズに受けることができないとてもストレスの溜まる状況に遭遇することも多々あります。だからこそ、海外では「自己主張」が重要と思っている方、いませんか?
私たちGetbusylivingworldもそう思っていました。ただ、その方法が大切なのです。
オーストラリアのサービスとは?ワーホリ必見
ワーキングホリデーに行く場合、接客業で働く機会もあるかもしれませんし、そもそも生活をする上でサービスを受ける状況は日々起こります。実体験で、実例を挙げながらどんなサービスが待っているのかをお伝えします。
(1)接客中に携帯はご法度
携帯の利用に怒られます。もちろん、店員側が携帯を使うわけではありません。たまたま、長い列にお客として並んでいるときに電話を受けることってありますよね。そこで、自分の順番がやってきました。そのまま携帯を受けながら郵便局のカウンターに向かうと、郵便局のおじさんに怒られました。私本人ではないのですが、そういう場面を多々目にしました。大体、怒られているのはアジア系のお客様たちです。
郵便局のおじさんとしては、お客だろうが、店員だろうが、面と向かって話をしている相手に電話を受けながら対応するのは失礼だという感覚です。どういう関係性だとしても、お互いが対等な立場であるという感覚の現れです。
(2)空港のチェックインカウンターでは呼ばれないのに行くな
空港で仕事をすることが多かったのですが、特に空港のチェックインカウンターでよく起こっていたことがこちら。自分の前の客がカウンターで搭乗券をもらい終わりました。次は自分の番だと思い、その空いたカンターに自ら進んでいくと大体の場合冷たく止められます。こっちが呼ぶまでお客はカウンター前に立つなということです。安全の運行が第一の航空会社の対応の一部なのかもしれませんが、航空会社でなくても大体の場合はオーストラリアでは列は呼ばれるまで前に進まない方が得策です。
日本でレジの仕事を経験してみてはっきりとわかりました。日本のお客様にそのような感覚はほぼありません。感覚的には2割ぐらいのお客様は、声をかけられるまで列の先頭で待っておいてくれる人もいますがほとんどの方はレジが空くと同時に自分の商品をどさっとカウンターに置きます。日本は特にレジスタッフの仕事が多いです。レシート、スタンプカード、キャンペーンのチケットなどなど片付けないといけない書類だらけです。基本的にはやるべき仕事を終わらせて次に移る余裕を与えるべきだと思いますが、日本では実現それをぱぱっと片付けて流作業で次のお客様の対応をするのです。それはかなり高度なスキルだと思っています。日本ほどレジスタッフのクオリティが高い国はないでしょう。
レジスタッフという単純な仕事であっても、自分がストレスを感じずに仕事をできるペースは日本では決して与えられません。オーストラリアは、そこまでのクオリティを求めず、働く側を考慮できる余地(客を待たせる)が許されているのです。
オーストラリアで良いサービスを受けるために良いお客様になる
結局は、オーストラリアは労働者がとても優遇されている国なのです。
なので、サービスを提供する側には「お客様は神様」などという感覚はありません。自分たちに不利益なことが起これば、お客様の要望を突っぱねることが可能です。人としての基本的な尊重がない場合や過度なストレスをかけてくるお客に対してNoと言ってくるのがオーストラリア。
ということは、日本で想像していたような権利主張をするお客様であった場合は時にはお客側が不利益を被りかねません。セキュリティを呼ばれることなんてザラです。
このお客に対しての寛容性というのがかなり低いとも言えますので、あまりオーストラリア経験が少ない人が陥るのが本当はやるべきではなかった方向の権利主張をしてしまうということです。
- 笑顔の挨拶
- 感謝を伝えるなどで相手を労る
- 自分の主張をやんわりと伝える
- 妥協点を考えておく
- 感謝を伝える
これが鉄則です。
まず、挨拶は必須です。笑顔で、というのもポイント。感じの悪いお客に対しては、自分も感じ悪く対応することが許されます。その後、忙しそうならそのことを労ったりと、相手の気持ちに寄り添う感じは大切です。相手との良好な関係性を作りつつ初めて本題の自分の希望を伝えるのです。
そして、その希望には応えられない場合も出てくるかもしれませんが、100%ダメでも70%ぐらいの着地点を考えておくのも手かと思います。融通がきくこともたまにあるからです。
外国では自己主張が大切だと信じて1も2もすっ飛ばした、感じの悪い対応で単刀直入に要件を攻撃的に伝えることはNGです。日本では「自己主張が大切」という思いではなく、単に「お客様は神様」精神でお客側がかなり高圧的な態度で自分の要件を伝えることが許されているのが現実だと思いますが、オーストラリアではそれは決して賢い戦法ではないのです。そして、何が起こるかと言えば、受けることができるサービスも受け損ねるという結果を生み出します。さらには、セキュリティを呼ばれるなど、サービスどころか痛手を被る結果になるかもしれません。
オーストラリアで長く暮らしてみると、良いサービスを簡単に受けさせてもらえないなあ、という教訓より今回はオーストラリア生活術の一環として良いお客様になろう!と提案させていただきました。これからオーストラリアにやって来られる方が少しでも快適なオーストラリア生活を楽しむことができますように。
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