海外の永住権を夢見ている人は世界に大勢います。何かの先に永住権があるかの様な謳い文句があるとしたら、それは真実では無いかもしれません。
オーストラリア永住権 取得方法
(1) 永住権概要
その国の永住権を持っていれば、基本的に選挙権以外のあらゆるサービスを国から受けることができます。また、期限なく就労や就学も許されます。
世界の中でも移民を受け入れることにとても前向きな国の一つがオーストラリアです。オーストラリアで生まれたオーストラリア人は人口全体の30%ほどしかいないのでどれだけ移民に寛大か、もしくは頼っているのかがわかります。
出生率が下がっても、人口が減らないのは、そう言った移民政策が非常に戦略的に行われている証拠でもあります。
(2) オーストラリア ビザの種類
では、オーストラリアの永住権の種類はどう言ったものがあるでしょうか?
家族関連 家族がいることが条件
技術独立移住 ポイント制(学歴、年齢など)
雇用主指名 企業のサポート
事業関連 新しい事業や投資可能な人向け
大まかな種類は上記となります。
現実的に取得可能な投資以外のビザについて細かくみていきましょう。
(1) 家族ビザ (パートナー・結婚ビザ)一番の近道
身も蓋もない事を書きますが、一番の近道です。
本人にはコントロールすることができない方法なので、おすすめも何も無いのですが、現実に一番この方法でビザを取得している人が周囲に多かったです。
企業の採用担当だったので、多くの永住権保持者の面接も行っていますが、永住権を持っている人は半数以上がこちらのビザでした。
最近では、偽装する人などを防止するための対策で、取得も簡単ではなくなって来ています。例えば、パートナーの場合は、どのくらいの期間パートナーであり、またその関係性の証明なども具体的に必要です。
料金は年々上昇していて、現在はA$7000を超えています。
ただ、それをクリアさえすれば、オーストラリア人もしくは永住権保持者のパートナーを見つけることが一番の近道だと言う現実があります。
こちらの方法が1番の近道だと言う理由は、個人で永住権を取得することがかなり困難を要するからです。
(2) 技術ビザ 一番堅実で人気のポイント制
よく聞く永住権取得方法はこちらの方法です。
あらゆる方向から自分のポイントを上げることで申請に近づけるのがこちらのビザ。自分の努力でなんとかできる(と考えることもできる)方法です。
例えば、
年齢|英語力|就業経験(各国内&国外)|学歴|ボーナス
*ボーナスの例:オーストラリアの学位|オーストラリア地方都市の学位
基本的に上記の総合点で申請可能かどうかがわかります。こちらが、オーストラリアがオフィシャルに案内しているポイント計算サイトです。
最低でも65点以上が申請に必要になりますが、日本で大学を卒業し、ある程度の職歴があれば年齢によっては65点は不可能では無いかもしれません。
ただ、このポイントの前に、職業リストから自分の専門として来た職種を見つけ出す必要があります。そのリストに専門職があって初めてポイント云々が関わってくるのです。
よく聞くのが「会計者・シェフ・看護師・美容師」の様な専門職で永住権が取りやすいのでオーストラリアでその様な専門を学ぶと言うパターン。
ただ、このリストは頻繁に変わります。オーストラリアとしてみたら、あくまで社会に足りない人材を補うために永住権を与えているので、人材の供給過多は困りますね。なので、最近では一時期一番人気だった会計士も影を潜めています。
3年でオーストラリアの大学を卒業するとしても、3年後にその職種がまだリストに残っているのかは誰も保証はできません。
ここから、この方法のリスクが浮かび上がります。永住権を目的に勉強をしていると、飛んだ番狂わせが起こりうるのです。
(3) サポートしてくれる企業を見つける方法
実はこちらの方が堅実では無いのかと思います。私もこちらの方法での永住権の取得となります。
自身でのサポートの場合、自分がそのハードルに向かって色々な不確かな方法で年月を費やしていかないといけない一方、企業がその人材を囲いたいと思ってくれればサポートをしてくれる企業を見つけることは自分の力量次第でどうにかなる可能性が出て来ます。
ただ、企業がサポートしてくれたとしても、そこに英語力であったり学歴なども関わってきたりもするので一概には仕事さえあればOKとは言い切れません。
オーストラリア永住権 現実
たくさんのオーストラリアで永住権を求めている人たちに出会いました。
皆さん、私自身も含め、最初はワーキングホリデーで入国している人が多いです。そこから、どこにつながって行くかと言えば2パターンあります。
ビジネスビザもしくは学生ビザ
ビジネスビザに漕ぎ着けることができれば、それは次の永住権と言うステップに近づいています。ある程度の期間、ビジネスビザを保有していて、会社が永住権をサポートしてくれたりなどと言う道が開ます。相当な専門職でない限り、必要になるのは管理職などの職業的なタイトルになりますが、こちらは頑張り次第で道は開けるかもしれません。
ただ、学生ビザに変更するのは大変危険が孕んでいると考えています。
ビザエージェントなどが安易に学生ビザを勧め、そこから学位を目指してその次のステップとして永住権を勧めてくるかもしれません。ただ、最初にお話しした様に、勉強の末に本当に永住権が待っているか誰も知りようが無いのです。
特にオーストラリアは、留学生の学費が高い国でもあります。お金がどんどん飛んでいきます。
また、もう一つあるのが学生ビザを取得することで、学校には通わず不法に就労をする方法です。ルールとしては週20時間までの就労のみ許可されていますが、それを超えてフルタイムで就業している人が現実としてたくさんいます。
収入を得ながらオーストラリアで長く暮らす事を実現はしていますが、これがどれだけ続いて行くでしょうか。目先のことしか考えてないと、もし永住権のゴールがあるとしたら、そこに近づいている行動にはなりません。暮らしの中でパートナーを見つけたり、ビザをサポートしてくれる企業を見つけることができるかもしれませんが、そこも自分でコントロールできない不確かな要素になります。
その様な方法で暮らしている人の話は現地にいるとよく耳にします。そして、結果として、オーストラリアを去る人を何人も見て来ました。
オーストラリアの永住権が欲しいと思った時、一番の方法は、戦略的に動くことができる覚悟があるかどうかに尽きます。
- 動く時は常に数歩先を見据えてフットワーク軽く対応する
- 待たない、受け身にならない
- 他の選択肢も常に考えておく
- やるべき仕事や勉強を一生懸命やる
これが、私が実際に自分の経験から得た教訓です。
せっかくの機会を逃しているスタッフも何人かみました。ほとんどの場合に、戦略がなかったことが大きいです。常に「誰かが何かをやってくれる」だろうと言う身構えでした。
永住権を取得している人たちと言うのは、多くの場合
- 責任ある仕事にチャレンジして日々コツコツとやっていた
- 自分で会社と交渉するなど、自分の状況を自分で打破する動きをしていた
- 楽な道や甘い道を選ばない覚悟があった
こう言った傾向が顕著に見れました。
永住権は努力すればどうにか道が開けるものかどうかは、誰一人として明確な答えを出すことはできません。
まるで、何かの先に永住権がつながっている様な旨味がある話の場合は十分に気をつけた方が良いです。自身の永住権取得プロセスもそうですし、自分が働く会社で他のスタッフのビザや永住権の取得アシストを人事部と一緒に取り組んで来たからこそ、軽々しく永住権を勧めることはできません。
それでも挑戦したい方は、やってみるべきです。チャレンジせずに諦めることほど後で後悔することはないでしょうから。永住権を本気で目指している人たちにエールを送ります♪