新年になると卒業が近づいている大学生さんたちに不安な足音が聞こえてきているかもしれません。特に、卒業まで数ヶ月を切っている中で就職先が決まっていない方は不安と言う言葉では表現しきれない程の怖さや悲しみを感じているかもしれません。
または、新4年生まじかの3年時の3月。就活が解禁となり、みんな一斉に活動を加速させそこから数ヶ月の春が終わりゴールデンウィークも間近な時期になると、内定を1社も持っていない学生さんは目に見えない何か周囲の重圧を感じながら大きな不安がムクムクと生まれているかもしれません。
そんな中、しれっと海外逃亡を勧めたのが前回の記事♪
でも、海外にまで出ていくのはハードル高すぎると思った方におすすめなのが既卒で次の年次の方と同じように就活をする方法です。
実は、現在の新卒一括採用制度を上手く活用してより大学生活を満喫するために、既卒での翌年以降の就活を皆さんにおすすめしたい。
新卒一括採用のスケジュールとは
ここまで、システム化された学生向けの就職活動が世界にあるのか疑問なくらい、日本の新卒採用の形はユニークです。
3年生6月 (日本風)インターンシップ開始
3年秋から冬ごろ インターンシップからの早期選考(+内定)
3年3月 就職活動解禁(+内定)
3年6月 正式な内定
4年3月卒業後、4月から新卒として就業開始
日本で就職活動といえば、上記の動きにほぼ100%の皆さんがこのレールに乗って動いていくと思います。
だからこそ、その時期に大体こういった立ち位置にいるというものが存在し、そして多くの大学生がその位置にいるのです。もちろん、その時期に内定を得ていなくても卒業までに内定を得て、卒業と同時に社会人を始める人が大半でしょう。
内定なしで卒業したら?
そうは言っても、一生懸命就職活動に打ち込んだ末、卒業時に内定が決まっていなかった場合はどうなるのでしょうか?
一般的に学生さんが取りがちなのが卒業を遅らせるというテクニックです。何もなければ全ての単位を取得できて、大学での学問を修めることができるにもかかわらず、あえて最後の手段として単位を落とすことを選択する人がいます。そのメリット・デメリットはなんでしょうか?
他にもあるかもしれませんが、私が就職支援チームで有名大学で働いている中で出逢う学生さんの思考は上記に集約されていると言えます。
では、これを検証して見ましょう。
新卒カードとは
通常、就業経験や資格がなく企業が雇うメリットは労働市場では世界的に見てもあまりないのですが、日本では学生から突然、新卒というレーベルだけで企業が採用をしてくれます。これはポテンシャル採用と言って、上手に育ってくれさえすれば良いという長期計画で採用を行う昔からの日本の文化です。
新卒カードと留学についてはこちら♪
ポテンシャル、潜在的な能力を見て企業が投資するのです。ここでいう能力は、スキルではなく、その人の人格と言えます。企業風土に合う人材かどうかで判断するのです。
この新卒カードですが、一般には卒業から3年以内の人は新卒枠の応募が可能であるということは皆さんご存知でしたか?と言うことは、卒業時に内定がなくても、次の年も新卒枠で応募できるのです。
では、卒業をわざわざ遅らせないと新卒カードが使えないわけではないのです。既卒でも5年生でも、同じ土俵で就職活動を継続できます。でしたら、先ほどのメリットで新卒カードが使えると考えるのは間違っています。でも、多くの学生さんがそのように考えがちなのです。
既卒もしくは5年生 企業の対応は?
あまりにも多くの学生さんが、当たり前のように4年で大学を卒業し、卒業までに就職先を決めて就職していくのが一般化しているからこそ、採用側は「なぜ、他の人と違うのか?」と引っかかってくる可能性は大いにあります。
しかしながら、そもそも、大学を4年で卒業しなければならないと言う思い込みがあると言うことにも皆さんには気づいて欲しいのです。例えば、海外では高校卒業後に必ず大学へ行くという概念が日本ほど強くありません。高校から社会に出て、資金が溜まったら、興味が湧いたら、仕事上必要が生まれたら、大学や専門学校で学習する人は普通にいます。だから、そこにいる学生の年齢は日本みたいに一元化されていません。また、働きながら卒業するので決まった年数で卒業する必要もないのです。
それを考えると、5年かけて卒業しようが、そのこと自体全く問題がないのです。5年で卒業したことへの後ろめたさみたいなものを感じて欲しくないと私は思います。
企業がもし、そのことに引っかかっていたり、ネガティブに捉えたりしていた場合、その企業は非常に日本的でユニバーサルな視点に欠けている思います。世の中には、既卒であったり、5年生であったりという状況を普通に受け取ってくれる企業もあるはずです。そういった、企業に出会った方がきっと働きやすい職場である可能性が高いのではないでしょうか。何か日本的な当たり前にとらわれている企業で働くより、それを超えて物事の本質を評価してくれる企業があるはずです。
既卒や5年生がありなのなら?
本当は、学生は学費を支払った分、それに打ち込み学びというリターンを在学中は得るべきです。
在学中に就職活動に振り回される環境を受け入れている日本は世界感覚で言えば非常に滑稽な国と言えるでしょう。だから、日本に留学している留学生は、学生の間で就活をしないと日本で卒業後に滞在できないと知ると混乱して怒りさえ感じているようです。そのような学生を何人も対応しました。
新卒カードが卒業から3年間使えるというルールを企業が当たり前としてもっと受け取ってくれるようになれば、本当は在学中は大学生として学び、経験できることに没頭してもらいたいと私はいつも思っています。学生のときにしっかり専門のを学び、そして空いた時間には旅行をしたり、ボランティアをしたり、バイトをしたりともっと自由に時間を使わせてあげるべきだと思います。学生時代に就職活動で時間も体力も精神も無駄にするのは本当にもったいない!
就活しなかった体験談はこちら!
実は、上記の記事の通り私は就職活動しなかったので、大学時代をかなり有意義に過ごしたと思っています。これは、出来る出来ないという質問ではないのです。条件としては出来るのです!それをやる勇気、度胸、自信があるかどうかだと少し皆さんの固定観念が揺らいでくれたらと思い、こちらの記事を書きました。
勇気や度胸や自信がなくても、本当は企業側が日本の馬鹿げた固定観念を捨ててしまってくれることが近道であるとは思いますので、少しでも早く日本式な就職活動が負の遺産となることを願っています。
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